よくあるご質問

皆様よりご質問いただきました内容を「よくあるご質問」にまとめています。お問い合わせいただく前にぜひご活用ください。

企業情報

会社設立はいつですか?
2001年12月21日設立です。詳しくは「会社概要・沿革」をご参照ください。
社名の由来は何ですか?
「会社概要・沿革」の社名の由来をご参照ください。
設立の経緯を教えてください。
2001年設立当時はNK4(HGFタンパク質の部分断片)の開発を目指していました。
その後、2005年からHGFタンパク質の開発に着手しました。
創業からここまで時間がかかった理由を教えてください。
HGFタンパク質を医薬品グレードで製造する体制を構築した上で、国内外で臨床試験を実施し、開発後期(レートステージ)まで自社で開発を進めてきました。
途中、リーマンショックの影響もありましたが、国からの補助金等を活用して開発を継続することができました。
ビジネスモデルについて教えてください。
HGFタンパク質の製造をプラットフォームとし、①自社開発・販売モデル、②導出・共同開発モデル、③原薬供給モデルのハイブリッドで事業展開を行います。主に希少疾患を対象に自社開発することを基本方針とし、最終的には自立したバイオ製薬企業として①を目指します。
これにより、中長期的な自社の収益を最大化いたします。
公告の方法を教えてください。
当社は電子公告により行います。「電子公告」をご参照ください。
なお、当社は有価証券報告書提出会社であるため、決算公告の開示は省略しています(会社法第440条第44項)。
ロゴマークの由来は何ですか?
当社が開発しているHGFタンパク質は、クリングル構造と呼ばれる特徴的な構造を4つ持ちます。当社のロゴマークは、HGFタンパク質の4つのクリングル構造をモチーフにしています。
複数の事業会社から出資を受けていますが事業的な繋がりは今後発生することはあるのでしょうか。
当社の見解のみを回答するのは適切ではございませんので控えさせていただきます。今後、あらゆる可能性を検討してまいりたいと考えています。

株式情報

株式が上場したのはいつですか?
2020年12月28日です。
上場取引所はどこですか?
東京証券取引所グロース市場です。
設立の経緯を教えてください。
2001年設立当時はNK4(HGFタンパク質の部分断片)の開発を目指していました。
その後、2005年からHGFタンパク質の開発に着手いたしました。
証券コードは何番ですか?
4884です。
取引の単位(1単位)は何株ですか?
100株です。
株主総会はいつ開催されますか?
毎年12月に開催いたします。
株主優待制度はありますか?
現在、設けておりません。
株主名簿管理人を教えてください。
株主名簿管理人は三菱UFJ信託銀行株式会社です。
詳しくは「株式情報」をご参照ください。
株式の名義書換・住所変更などの手続きはどうすればよいですか?
株式に関する各種お手続は、取引口座を開設されている証券会社などにお申し出ください。
決算説明会資料などで他社のように市場規模や、売上目標を開示するなどして株式市場からの評価を高める考えはないのでしょうか。
他社事例を参考にさせていただき、決算説明会資料では概算でも開示できるよう検討いたします。

決算・財務関連

今後の増資予定について教えてください。
2022年7月で行使が完了した新株予約権により、声帯瘢痕パイプライン用の開発に必要な資金はお陰様で無事確保できました。現在当局と治験実施に向け協議しているところであります。 これで、現在進捗しているパイプラインの開発に必要な経費は今のところ確保できていると考えています。つきましては、新たな治験への着手もしくは治験の進捗による大きな資金需要が発生しない限りは、当面増資する必要はないかと考えています。 まずは、現状の資金を活用し現有のパイプラインの開発推進に注力したいと考えています。
決算期はいつですか?
9月30日です。
決算発表はいつですか?
「IRカレンダー」をご参照ください。
最新の決算情報を教えてください。
「IRライブラリー」をご参照ください。
四半期ごとに事業進捗を確認できますか?
事業進捗に応じて、四半期もしくは半期ごとに決算説明会を開催する予定です。
黒字化はいつ頃になりますか?
脊髄損傷急性期治療薬の上市後、2025年から製品販売による恒常的な黒字化を達成する見込みです。
中長期的な経営戦略を教えてください。
中期的には、脊髄損傷急性期に対する第Ⅲ相試験を完遂し薬事承認を取得することを最優先いたします。また、ALSやその他の難治性疾患への適用拡大ならびに各パイプラインの海外展開を図り、HGFの価値を最大化いたします。長期的には、HGFの次のシーズを導入し開発を進めながら、自社で開発から販売までを一貫して手掛ける体制を整備いたします。最終的に当社は、「希少疾患」や「バイオ医薬品」に強みを持つ製薬企業へと成長することを目指します。

研究開発情報 脊髄損傷急性期(SCI)

第Ⅲ相試験の主要評価項目に関して、統計学的有意差が認められなかったが、承認申請にむけて準備を進めると発表されておりますが、主要評価項目が未達の場合でも承認される可能性はあるのでしょうか?
主要評価項目が未達でも承認された事例は、国内でも海外でもあります。脊髄損傷急性期は有効な治療薬が存在しない状況で、かつ希少疾患でもあるため、当局と承認申請について相談を進めて参ります。
第Ⅲ相試験の主要評価項目未達のデータで承認申請まで持っていけるのでしょうか?
実際のところ、今回の第Ⅲ相試験の結果(副次のみ有意差あり)を踏まえて承認申請にいける手応えはお持ちでしょうか?
主要評価項目を達成していても承認が認められない(有効性の差に臨床的意義がないとして)こともあるため、当局相談後に判明することもあると推測します。当社としましては、今回の第Ⅲ相試験により最も重度な脊髄損傷患者に対してHGFの有効性と安全性を示すことができたので、承認申請に足る結果であったと考えております。まずは、当局との相談に進めたいと考えます。
AIS分類のAからBへの改善は、「臨床的に意味のある改善」と言えるのでしょうか。
第Ⅲ相試験においては自然回復例を出来るだけ除くために、72時間時点で最も重度なAIS Aの頚髄損傷患者を対象としました。AからBへの改善はHGFによる二次損傷の抑制や脊髄神経保護効果を示しており、受傷後早期に投与することやAIS BやCのより損傷が軽度な患者では更に効果が高くなることが推測されます。一方で、頚髄損傷完全麻痺Aの患者がBの感覚不全麻痺に改善することで、全身の病態や異変に気付くことができるようになります。実際に、Bの患者はAに対して褥瘡の発生率が低下することが報告されています。AIS Aの完全麻痺のまま慢性期に移行しますと、その後の回復はほとんど見込めませんが、急性期にHGFを投与することでAIS Bの不全麻痺に改善できれば、その後のリハビリテーションや将来的には細胞治療により、更にAIS C以上に改善する可能性も残されます。従いまして、AIS AからBへの改善は、「臨床的に意味のある改善」であると言えます。
通常の承認を目指すのでしょうか、条件付き承認となる可能性はあるのでしょうか。
当局との相談次第になると考えます。通常の承認でも条件付き承認でも申請資料は同じですので、当社としましては、当局の了承が得られ次第速やかに承認申請できるよう、準備を進めてまいります。
欧州、米国のデータベースとの比較でも、第Ⅲ相試験のAIS分類AからBへの改善は、統計学的有意差があると言えるのでしょうか。
現在まだ解析中でありますが、有意差はつくのではないかと考えております。
今回の国内第Ⅲ相試験の結果で、米国での臨床開発を進めることはできるのでしょうか。
今回の第Ⅲ相試験では、患者背景に関して非常に有益なデータが得られました。今回の結果を参考にして米国での臨床試験を計画することにより、開発の成功確度を更に高めることができると考えます。一方で、米国での脊髄損傷受傷背景は、日本とは異なるところもあるため、プロトコールは全く同じにはならないと考えております。
今回の第Ⅲ相試験の結果の学会発表はいつでしょうか。
現在、層別解析を進めておりますが、解析結果を集積した段階で論文発表及び学会発表を行う予定です。
今回の第Ⅲ相試験で、AIS A→Bは有意な成果が出たのに、AIS A→Cは出ませんでした。慶應大学の岡野栄之先生のお話では、治療に加えて、リハビリが非常に重要と繰り返し強調されています。今回の治験の期間は、コロナ禍に重なっていて、素人的な体感でも、ほとんどリハビリは出来ていなかったのではないかと思っています。コロナ禍のリハビリ実施状況は把握されていますか?そして、それが治験結果に与えた影響について、どのように社として考えていますか?
ご指摘の通り、リハビリは非常に重要です。治験施設には共通のリハビリプログラムを実施するようにお願いしており、実施されたと考えております。一方で、コロナ禍の医療体制やご家族が面会できない状況が予想もしない影響を与えた可能性は否定できないと考えております。
受傷後72時間経ってから患者の状態を評価し、投薬を行っているかと思います。72時間経たないと患者の評価が正確に判断できない、よって、それより以前に薬を投与すると、急性期の脊髄損傷の患者がどの程度重症かがわからないために、投薬せずに治ったのか、薬剤が有効だったのかを評価できない。そのため、72時間後に投与しているのでしょうか?
受傷後72時間に重症度がAIS分類Aであることを確認し初回投与を行う治験デザインを設定した理由については、ご推察の通りです。脊髄損傷の受傷直後から約72時間までは、脊髄ショックという一時的に脊髄反射が消失する状態が起こる可能性があります。脊髄ショック状態にある時期に投薬を行うと、運動・感覚機能が回復しても、脊髄反射が戻ったための自然回復なのか薬剤の効果によるものか判断できないために受傷後72時間後の重症度判定を設定しています。
急性の疾病(心不全や脳梗塞など)の患者に対しては受傷後すぐに治療を行わないと予後が悪いと認識しているのですが、脊髄損傷に関してもそうですか?もし、すぐに薬剤を投与すれば、患者のAIS分類はAからC、もしくはそれ以上になる割合が増える可能性があるということでしょうか?
ご指摘の通り、HGFには受傷直後から発生する炎症を抑制する効果があることから、早く投与できればより高い効果が得られると考えています。しかしながら、脊髄ショックの影響を避けながら効果が適切に評価できる治験デザインとして、あえて72時間後の初回投与を設定しています。
今回の治験では、臨床試験のため治療を遅らせるということを行なってるということになるかと思うのですが、倫理的には特に問題ないのでしょうか。
上記の通り、薬剤の効果を適切に評価するために本治験デザインを設定し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と合意しています。令和元年に厚生労働省が作成した「急性期脊髄損傷の治療を目的とした医薬品等の臨床評価に関するガイドラインについて」(令和元年5月8日付け、薬生薬審発0508第1号/薬生機審発0508第1号)においても、急性期脊髄損傷を対象とする場合には、脊髄ショックを考慮した適切な介入時期を設定するように記載されています。当社としましても患者様のためには可能な限り早く投与したいという思いはございますが、現時点では臨床試験の段階であり、安全性と有効性を検証することを目的とした試験デザインを設定しましたことにご理解をいただきたく存じます。
今回の治験のデザインは、薬剤にとって不利な条件と論文にも書かれていましたが、第Ⅰ/Ⅱ相試験では改良Frankel分類Aの方がCに改善された方が26.7%いらっしゃいます。同じような治験デザイン(もしくは治療)で、過去に、これほどまで改善された例は国内、海外ともにあったのでしょうか?
脊髄損傷では、治療をしなくても自然に機能が回復する症例があります。このような自然回復例が治験に組入れられると薬剤の効果が評価できないために、当社は自然回復が極めて少ない完全麻痺患者(AIS分類Aあるいは改良Frankel分類A/B1/B2)を対象としました。完全麻痺患者は患者数が少なく、症例管理も厳しいため、このような厳しい条件で行われた他の薬剤の治験は殆どありません。一方で、海外の過去の患者情報では、受傷時の頚髄損傷AIS分類Aの患者がC以上に改善する割合は10%程度と複数の報告があります。
第Ⅰ/Ⅱ相試験のASIA motor scoreは168日経っても変わらなかったが、副次評価項目の経時的推移に140日で有意差を認めたとホームページの記述があります。ASIA motor scoreの評価シートを確認しましたが、感覚レベル、運動感覚、運動レベルとかなり細かく検査する印象を受けました。第Ⅰ/Ⅱ相試験はASIA motor scoreにて全体的に検査すると、あまり変わらなかったが、下肢の機能に関しては140日にて改善されていたという認識で合っていますか?
ASIA motor scoreはご指摘のISNCSCIアルゴリズムのシートのmotor key muscleの左右の上肢5か所、下肢5か所の合計で算出されます。一般に再獲得した運動機能は維持されると考えられますが、評価時の患者さんの状態によっては点数が減少する可能性も否定できません。ASIA motor score全体の有意差は140日時点で得られましたが、168日時点では微妙な差によって有意差が消失したと考えております。しかし、84日目以降はp<0.1で一貫した差を認めており、有効性は示唆されたと考えております。
頸部の脊髄損傷は、頸部より下の身体の麻痺が残ると認識しています。上肢、下肢ともに動かなくなる、また、排便機能も失われ、それが一生続くということが普通だと思っていますが、治療をすることによって、下肢の機能にだけ改善がみられるということは今までの治療、治験の中であったのでしょうか?むしろ上肢の機能の方が、首に近いので改善しそうなイメージなのですが、いかがでしょうか?
日本の脊髄損傷患者の特徴として、高齢者の非骨傷性脊髄損傷が多いことが挙げられます。加齢に伴い脊柱管が狭くなると、ちょっとした転倒でも外圧によって骨折を伴わない頚髄損傷が起こるのですが、このような場合の多くは中心性頚髄損傷(脊髄の中心部分が強く損傷を受ける)となります。第Ⅰ/Ⅱ相試験では中心性頚髄損傷患者が多かったのではないかと考察しています。組織学的に頚髄の運動神経は、内側が上肢、外側が下肢と配置されていると考えられており、中心性頚髄損傷患者は内側、つまり上肢の運動神経が強く障害を受けます。第Ⅰ/Ⅱ相試験では、HGF投与によって、障害の程度の少なかった外側(下肢)部分がレスキューされた結果、大きな下肢運動機能回復が検出されたと考えます。受傷直後に投与できれば、中心性頚髄損傷の内側部分もレスキューされ、上肢運動機能の回復も期待できると考えております。
参照:
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900067144/86-5-167.pdf
第Ⅲ相試験はAIS分類のAの患者がCになる割合を評価する治験になるかと思います。AIS分類のみに絞った理由はどういったものになりますか?
脊髄損傷の発生頻度は少ないため、大規模の試験を実施することは難しいと考えています。そこで、効率的な試験デザインを策定するために、PMDAと相談しながら、主要評価項目を重症度改善と設定しました。その他、副次評価項目では、運動機能改善、感覚機能改善、日常動作性の改善などを設定しており、様々な機能回復効果を評価することにしています。
脊髄損傷急性期について、仮に国内の第Ⅲ相試験が成功し承認に至った場合、海外についても治験を実施することかと思いますが、その場合の治験ステップとしては、海外第Ⅲ相試験から開始という認識で合っていますでしょうか?
海外の規制当局との見解に依存するため、現時点では確定しておりません。しかしながら、海外においても早期に上市できるような開発戦略を策定し、規制当局と交渉する予定です。
現在実施中の脊髄損傷急性期はプラセボとの比較がありませんが製造販売承認申請の可能性があるのでしょうか?
当社はすでに、脊髄損傷急性期を対象とする第Ⅰ/Ⅱ相試験をプラセボ対照二重盲検比較試験として実施しており、HGF の有効性を示唆する結果を得ています。その結果をもとに PMDA と協議を行い、現在実施中の第Ⅲ相試験のデザインを策定いたしました。製造販売承認申請については、第Ⅲ相試験の結果が出た後に PMDA と協議することとなります。
※PMDA: 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
脊髄損傷に関して、細胞治療とHGFの違いを教えてください。
HGFタンパク質は細胞治療とは異なり、受傷直後の急性期に使用可能であり、使用する医療機関が限定されません。また、HGFタンパク質の薬価は、細胞治療に比べれば安価になることが想定されます。
脊髄損傷はどのような患者様を対象に開発を進めていますか?
脊髄損傷治療においては、受傷直後に起こる炎症反応等によって損傷部分が拡大する現象(二次損傷)を抑制することが非常に重要であり、多くの脊髄神経が残存することが運動機能の回復に繋がります。HGFには脊髄損傷急性期に起こる二次損傷を抑える作用があり、当社はまずは急性期を対象に医薬品開発を進めています。一方、HGFには軸索進展の促進など神経を再生する作用もあるので、他の治療手段と併用することにより、急性期はもとより慢性期治療への応用の可能性があります。この可能性を探求するために、当社は現在、慶應義塾大学と共同研究を実施しています。(「2021年2月10日付けニュースリリース」をご参照ください)。
現在実施中の臨床試験はどのようなものがありますか?
脊髄損傷急性期を対象とする第Ⅲ相試験の症例組入れを行っています。また、ALSを対象とする第Ⅱ相試験を実施中です(すでに症例組入れは終了しており、被験者様への投与を継続しているところです)。声帯瘢痕、急性腎障害については、現在実施中の治験はありません。
脊髄損傷を対象とする既存薬と比較した場合のHGFの特徴はどこにありますか?
HGFの特徴として、安全性・忍容性が高いと考えられること、脊髄損傷受傷直後より投与可能な製剤の利便性を持つことがあげられます。
脊髄損傷急性期の患者数はどの程度でしょうか?
毎年、日本では約5,000人、世界では約60,000人の方が脊髄損傷を受傷されています。
出典:
坂井宏旭ら「わが国における脊髄損傷の現状 」(2010)
総務省統計局「世界人口の推移」
"Spinal Cord Injury Facts and Figures at a Glance (2019)"
新型コロナウイルスにより第Ⅲ相臨床試験が遅延する可能性はありますか?
2021年5月末時点において、開発計画に変更はありません。今後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開発計画が遅延する可能性がありますが、そのような場合には適時開示いたします。
脊髄損傷急性期の第Ⅲ相臨床試験の予定数と期間を教えてください。
第Ⅲ相試験の目標症例数は25症例です。現時点では試験の終了は2022年後半を予定しています。今後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い症例組入れが遅延するなどにより、治験が遅れる可能性がございますが、そのような場合には適時開示いたします。
脊髄損傷急性期の第Ⅲ相臨床試験の結果が公表されるのはいつですか?
第Ⅲ相試験は2022年後半に終了する予定です。結果の公表は、解析が終了後、開示いたします。
オーファンドラッグのメリットは?
希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されますと、助成金の交付、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との優先対面助言や相談手数料の減額、通常品目に比べて承認申請の審査期間が短縮される優先審査、再審査期間の10年間の延長等を受けることができます。
脊髄損傷急性期の第Ⅲ相臨床試験について第Ⅱ相試験ではプラセボ対照二重盲検比較試験だったのに、なぜ第Ⅲ相試験は単群でプラセボ対照ではなくなったのでしょうか?また、主要評価項目の投与後6か月のAISがC以上に改善した症例割合はどのような結果(割合)が出れば申請可能なのでしょうか?この試験はオープン試験のため試験が完全に終わる前に、途中の結果や手応えは説明会などで発表される可能性はあるのでしょうか?
臨床試験の詳しい内容につきましては、規制上の点から開示できないものがあることをご了承ください。前相と第Ⅲ相試験のデザインの違いにつきましては、患者背景、有効性の評価項目などを独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議した上で決定しています。申請の可否につきましては、第Ⅲ相試験の結果に加え、これまでのすべてのデータを検証し、PMDAと協議によって判断されることになります。第Ⅲ相試験の中間報告については、計画しておりません。試験結果はすべての症例での解析及び報告書の作成・検証を終えたのちに開示する予定となっています。

研究開発情報 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

ALS第Ⅱ相試験の追加解析について、解析後の予定が「提携パートナーによる開発」となっていますが、自社で条件を変えて第Ⅱ相試験をやり直す可能性はありますでしょうか?
現在、東北大学で準備が進められております追加解析の結果を受けまして、治験デザインや実施体制を含めた次の開発戦略を策定する予定です。
ALS第Ⅱ相試験の追加解析の結果により発生し得る効果は何が想定できますでしょうか? 追加の臨床試験など考えられるのでしょうか?

追加解析によって、治療効果の高い患者層を推定できれば、治験患者の組入れ基準を再設定し次の臨床試験を計画することができます。ALSの病態は多様であることが知られていますので、さらに薬の効果が発現しやすい患者層を選定した臨床試験を行うことにより開発の成功確度が高くなることが期待されます。

以下、その様な事例を列挙させていただきます。当社といたしましては、同様の可能性を追求すべく追加解析に取り組みたいと考えています。

田辺三菱製薬株式会社のエダラボン(既承認、製品名:ラジカット)
エダラボンは日本でALSを対象に薬事承認されていますが、田辺三菱製薬株式会社は承認申請前に第Ⅲ相試験を2回実施しています。1回目の第Ⅲ相試験では主要評価項目に統計的な有意差は認められませんでしたが、追加解析によって治療効果の高い患者層(ALS重症度分類1・2、努力性肺活量 80%以上等)を特定し、2回目の第Ⅲ相試験ではそのような患者だけを組入れることにより統計的な有意差を達成し薬事承認に至りました。

エーザイ株式会社のメコバラミン(第Ⅲ相終了)
エーザイ株式会社は、かつてALSに対する第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施いたしましたが、主要評価項目が未達となりました。しかしながら、追加解析によってALS発症後12か月以内に治療を開始した患者に対しては有効性が示唆されたことから、発症後1年未満のALS患者を対象として第Ⅲ相試験(医師主導治験)を実施し、良好な結果が得られたことから、同社は2023年度中に承認申請を行う予定であることを発表しています。

ALSでの第Ⅱ相試験について、追加解析する主な目的は何でしょうか? 東北大学からの速報ではプラセボとの有意差はないという結果でしたが、この追加解析することで、有意差があるという結果になるのでしょうか?
ALS第Ⅱ相試験の追加解析は、治験の症例を様々な背景因子(切り口)によりサブグループに分け、サブグループごとの治療効果を推定するために実施いたします。追加解析はプロトコール(あらかじめ定められている治験計画)には規定されていませんので、事後解析とみなされます。事前にプロトコールで定めた評価項目について有意差がなかったという結果が変わるわけではありません。
ALS追加解析結果のおおよその時期について、教えてください。
2022年8月15日現在、東北大学から追加解析に関する解析計画スケジュールをまだ受領していない状況ですので、追加の解析にどれぐらいの期間がかかるのかを明確にご提示できる状況にはないことをご理解いただければと思います。
通常であれば6か月程度あれば一時的な解析は可能かと思っています。
2022年8月12日に開示した内容はあくまでも「速報」となります。あとしばらくお時間をいただければと考えています。
第Ⅰ相試験の ALSFRS 値について教えてください。
第Ⅰ相試験は、安全性と薬物動態を調べる試験としてデザインされており、ごく初期のALS 患者様を組入れました。組入れた患者様のALSFRS値は48点満点の41点から 45点までの間であり、第Ⅰ相試験期間中はほとんど変化がありませんでした(以上は論文(Waritaら、2019年)として公表しています)。
現在実施中の第Ⅱ相試験は有効性を検証する試験としてデザインされており、ALSFRS 値の変化を検出できるように、症状がある程度進行しているALS患者様を組入れています。
ALSの患者数はどの程度でしょうか?
日本では約9,800人、世界では約85,000人の方がALSと言われています。
出典:
平成30年度末現在 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数
"Arthur et al. Nature Communications (2016)"
新型コロナウイルスによりALSに対する第Ⅱ相臨床試験が遅延する可能性はありますか?
2021年3月末時点において、開発計画に変更はありません。今後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開発計画が遅延する可能性がありますが、そのような場合には適時開示いたします。
ALSに対する第Ⅱ相臨床試験の結果はいつ公表されますか?
第Ⅱ相試験は2022年に終了する予定です。本試験は、東北大学の医師主導治験のため、東北大学より結果が開示され次第、報告いたします。今のところ、2022年前半から中旬を見込んでいますが、治験薬提供者である当社はデータ解析には関与しないことになっており、結果発表の時期を月単位で明示することは困難でありますことをご理解いただければと存じます。
ALSを対象とする医薬品が多数開発されていますが、それらと比較した場合のHGFの特徴はどこにありますか?
ALS患者様の約10%は特定の遺伝子の変異により発症しますが、残りの約90%は遺伝子変異を伴わない様々な生体内因子の異常によって引き起こされることが明らかになりつつあります。ALSの発症原因は多様であるため、特定因子を標的とした治療薬の開発には課題があります。HGFの特徴は、発症原因に関わらず運動神経の細胞死を抑えることにあります。さらに、運動神経だけでなく、まわりの支持細胞(ミクログリア、アストロサイト)にも作用し、神経炎症を抑える働きやグルタミン酸毒性を軽減する働きもあります。ひとつの物質で神経系全体にマルチな働きを発揮することは、他の医薬品と比べてHGFの優れた点であると考えています。
ALSに治験ついて第Ⅱ相臨床試験は2020年11月に組入完了、2021年12月に最終症例の継続投与完了予定とあります。この治験の主要評価項目は二重盲検期24週のALSFRS-Rスコア変化量の群間差なので、早ければ2021年の後半には主要評価項目の結果がわかると考えて良いのでしょうか?第19期の有価証券報告書の16ページには、「2021年後半には開鍵*の予定」との記載もあります。同じく16ページには「POCが得られたと判断された場合には条件付き早期承認制度及び希少疾病用医薬品指定制度の申請に適するかどうかを検討し、第Ⅲ相試験の実施要否とともに製造販売承認申請への戦略を迅速に策定していく予定です。」と記載があります、これは結果がとても良ければ、第Ⅲ相試験をスキップして条件付きの申請をする可能性もあるという意味でしょうか?
ALSの第Ⅱ相試験は医師主導治験であり、当社は治験の詳細を知り得ない状況であること、ご了承ください。2021年後半に開鍵予定ではありますが、統計解析結果の検証、治験総括報告書の作成・検証が終わるまでは、当社も結果を知ることはできません。また、POCが得られたと判断された場合の承認申請までの戦略につきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議によって決められますので、現段階ではあらゆる可能性を検討する方針としています。

研究開発情報 その他

クラリス社への原薬供給による眼科領域での開発について、米国第Ⅰ/Ⅱ相試験の第一例目投与から1年半程経過していますが、今後の想定治験スケジュールはどのような予定を見込んでますでしょうか?
米国以外にもカナダ含め治験施設の拡大を行っており、コロナ禍の影響で想定よりも少し遅れてはいるようですが、キャッチアップしていくと聞いています。ただし、具体的なスケジュールまでは、クラリス社より開示を受けておりませんので、ご提示は出来かねますことをご了承ください。
声帯瘢痕について、オーファンドラッグの申請予定はありますでしょうか?
声帯瘢痕はオーファンドラッグの対象と考えておりますが、申請に進めるかどうかについては、事前に厚生労働省と指定相談を行う必要があります。指定相談に向けて準備を進めておりますが、オーファン指定の申請が受理されましたら改めて開示させていただきます。
脊髄損傷急性期、声帯瘢痕、ALSの投与に使用しているHGFは全て全く同じ組成の化合物でしょうか?
(症例によって、成分等違いがあるものなのでしょうか?)
対象疾患によって投与量は異なりますが、いずれの治験においても、当社が保有する製剤特許に基づいた同じ溶液組成の治験薬を使用しています。今後、他の疾患においては、各投与方法に適した組成を用いる可能性があります。 なお、一般的に「化合物」と呼ばれる薬剤とは異なり、HGFはより高分子な組換えタンパク質です。(組換えHGFタンパク質は、ヒトのHGF遺伝子を組換えた細胞を培養しながら発現させ、その後、精製工程によりHGFタンパク質以外の余分な成分を除きます。精製された組換えHGFタンパク質を製剤特許の溶液組成に調製し、治験薬として使用しています。)
HGFタンパク質の外販拡大の取り組みについて、教えてください。
現在、治験薬としてHGFタンパク質を外販していますのは、米国クラリス・バイオセラピューティクス社(以下クラリス社)のみとなっています。
その他内国外を問わず、多くの大学研究機関に研究用試薬として原薬を提供させていただいたり、供給のオファーをいただいたりしていますが、まだ、企業による治験まで進んでいる案件はクラリス社のみとなっています。
今後、提供先の新たな治験実施に向けた交渉につきましても、引き続き進めてまいります。
自社にHGFの製造設備がありますか?
自社では製造設備を保有しておりません。GMP準拠(医薬品グレード)で製造できる会社(医薬品製造受託機関)に委託しています。
HGFは特許で守られていますか?
HGFの物質特許はすでに失効していますが、用途特許や製剤特許に加えて、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定による再審査期間の延長※(日本では10年間)、さらにHGFタンパク質の製造ノウハウもあわせて多面的な参入障壁を構築しています。
※再審査期間の延長:この間後発品は、承認申請の際に、新薬同様の資料を求められるため、新薬の開発企業のみが市場供給を行う場合が多くなります。
創薬において、提携や共同企画、連携している研究機関や企業はありますか?
大学との共同研究・連携先として、慶應義塾大学、東北大学、大阪大学、京都府立医科大学、金沢大学、京都大学、東京医科歯科大学があります。
脊髄損傷急性期を対象とした製品について、丸石製薬株式会社(販売およびプロモーション)、東邦ホールディングス株式会社(卸売・流通)と業務提携を行っています。
新型コロナウイルスによる事業への影響はありますか?
2021年3月末時点で、各パイプラインの開発計画に変更はありません。今後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開発計画が遅延する可能性がありますが、そのような場合には適時開示いたします。
創薬ベンチャーのビジネスモデルはライセンスアウトするのが一般的ですが、自社開発を目指すのはなぜですか?
自社での開発をできるだけ進めることは、将来の自社の収益を最大化することにつながります。開発資金を自社で確保する必要がある点はトレードオフになりますが、希少疾患を対象として小規模な臨床開発を行うこと、公的な補助金を最大限に活用する等により対応可能であると考えます。また、当社は、長期的には自社で開発から販売までを一貫して手掛けるバイオ製薬企業へと成長することを目指します。自社開発による経験とノウハウを蓄積することは、自社の開発力強化にもつながります。
パイプラインの優先順位は何を基準に決めているのでしょうか?
パイプラインの優先順位は、非臨床試験・臨床試験データ、開発費用、市場規模、競合製品、社内リソース等を総合的に検討し判断しています。
HGFタンパク質製剤は、再生医療等製品と同じカテゴリーでしょうか?
我が国の薬機法で定める「再生医療等製品」は、遺伝子治療薬もしくは細胞治療薬を指します。当社が開発している組換えヒトHGFタンパク質は、遺伝子治療薬や細胞治療薬ではありませんので、「再生医療等製品」ではなく通常の「医薬品」扱いとなります。
HGFタンパク質の医薬品とHGF遺伝子治療薬は何が違うのでしょうか?
投与する物が一方はタンパク質、他方は遺伝子、という違いがあります。HGFタンパク質はHGF遺伝子から作られます。HGF遺伝子を投与して、体の中でHGFタンパク質を作るようにするのがHGF遺伝子治療薬です。これに対して、体の外(工場や研究所など)でHGF遺伝子からHGFタンパク質を作って投与する、というのがHGFタンパク質の医薬品です。治療に直接影響するのはHGFタンパク質ですが、病気の種類に応じてHGF遺伝子治療薬とHGFタンパク質の医薬品の使用が選択されるようになると考えられます。
HGFタンパク質の物質特許がなく世界中の企業がHGFタンパク質を製造、医薬品開発できるのであれば、貴社の強みはどこにありますか?
当社の強みは、非常に複雑な構造を持つHGFタンパク質を医薬品グレードで量産する体制を構築していること、加えて、製造したHGFタンパク質の臨床試験を国内外で実施し、ヒトでの安全性・薬物動態に関するデータを膨大に蓄積していることです。さらには、用途特許や製剤特許を保有すること、先発権※を確保することにより、複合的な参入障壁を築いている点も当社の強みと考えています。
※先発権:日本では、新有効成分医薬品なら8年間の再審査期間が設けられ、この間は、同一成分の他社品が承認されることはない。これを先発権と称し、特許とは別の枠組みで独占が許される。なお、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定を受けると再審査期間が10年間に延長されます。
HGFタンパク質の医薬品開発をしている競合企業は日本、世界に多くありますか?
公表されている限りでは、当社がオンリーワン企業であると理解しています。なお、米国のクラリス・バイオセラピューティクス社は当社の提携先であり、当社が提供するHGFタンパク質を用いて眼科疾患を対象に医薬品開発を進めていますので、競合企業とは考えておりません。
HGFタンパク質製剤は全身投与型の静脈注射ですか?それとも局所(患部)に外科手術をしながら注射するのでしょうか?あるいは、ドラッグデリバリーシステム(DDS)を活用していますか?
当社では、対象疾患に応じてHGFタンパク質の投与ルートを選択しています。脊髄損傷急性期やALSに対しては脊髄腔内に投与いたします。声帯瘢痕に対しては声帯内に局所投与いたします。急性腎障害に対しては静脈内に投与いたします。いずれのパイプラインにおいても現時点ではDDSは使用しておりません。
HGFタンパク質製剤はファーストインクラス、ベストインクラスのどちらのコンセプトになりますか?
当社のHGFタンパク質は新規性、有用性、画期性に鑑みて、先行する類似薬のないファーストインクラスであると考えています。
声帯瘢痕に対する第Ⅲ相臨床試験はいつ開始予定でしょうか?
第Ⅲ相試験は、公的な補助金等を獲得した上で自社で開発を進める方針としています。 2021年5月末時点において、第Ⅲ相試験の開始時期は未定です。
急性腎障害に対する第Ⅱ相臨床試験はいつ開始予定でしょうか?
第Ⅱ相試験は、比較的大規模なプラセボ対照二重盲検比較試験になることが想定されており、製薬企業等と提携し開発資金を確保した上で開発を進める方針としています。 2021年5月末時点において、第Ⅱ相試験の開始時期は未定です。
海外での医薬品開発の計画はありますか?
海外については、提携パートナーを得た上で開発を進める方針です。具体的な提携先が決まった段階で適時開示させていただきます。
自社で第Ⅲ相臨床試験まで進めているパイプラインは市場規模が小さいから製薬会社から相手にされないのか、早期黒字化にするため提携もできるけど自社開発としているのかどちらですか?
後者になります。
2007年11月20日のお知らせを見ると日本全薬工業株式会社とHGFからなる動物用医薬品の早期実用化に向けて提携とあります。日本全薬工業のHGF動物薬の開発はまだ続いているのでしょうか?もし、もう続いていなければ日本全薬工業はクリングル社の株式を長期保有する意味がなくいずれ市場で売却する可能性があるのでしょうか?
他社の開発状況を回答するのは難しいこと、ご了承ください。一方、日本全薬工業とは、当社が開発中のHGFタンパク質製剤の原薬の製造について、業務委託契約を締結しており、良好な関係を継続しています。
パイプラインについて、自社開発でなくパートナーを探して開発するという説明のものがあります。もし相手が見つからない場合は資金調達をして自社開発する可能性もあるのでしょうか?
現時点でパートナーを探して開発する予定としていますパイプラインは、大規模な症例数での臨床試験が必要になると想定しています。
一方、疾患の基礎研究の進歩、診断技術の開発などがありますと、治験のデザインは変えられる可能性が考えられます。パートナーを探しながらも、治験デザインの見直しを行うとともに、競合品の開発動向を調査する等して、パートナーが見つからない場合の開発方針を検討しています。

2023年8月14日付プレスリリース(資金調達)について

昨日の発表で、ワラントによる資金で海外治験を単独で行うとありました。まず、日本での脊髄損傷急性期での薬事承認を取ってからの方が国外パートナーを見つけやすいと思いますし、ワラントはその後だと思います。御社経営陣のお考えを教えてください。
脊髄損傷急性期の海外治験は、これまでと変わらず提携パートナーの獲得を前提に進める方針であります。すでに、海外の複数の製薬・バイオ企業と交渉を進めておりますが、現時点で成約にまでは至っておりません。その要因のひとつとして、海外における開発計画が不透明であることが挙げられます。今回のワラントによる調達資金は、まずは米国での脊髄損傷急性期の治験準備費用に充当することを想定しております。米国での治験準備の過程において、当局(FDA)の考え方や過去の当社の治験データの有用性等が理解できると考えており、その知見を基に米国での開発計画を策定することによって、提携パートナーとの契約締結の確度が高まると考えております。加えて、今回の資金調達により米国での臨床開発費用の一部を確保できれば、提携パートナーに対しリスク・プロフィットをシェアする共同開発のスキームを提案できるため、今後の提携交渉を有利に進めることが可能になると考えております。
今回の第三者割当ては、国内の開発・進捗については運転資金は必要分あるが、海外展開の速度を上げる為に必要なものであると理解して宜しいのでしょうか?
ご理解の通り、現在治験が進んでいる「脊髄損傷急性期の第Ⅲ相試験」にかかる研究開発費用は、新規公開時にその資金を確保いたしております、また、「声帯瘢痕の第Ⅲ相試験」にかかる費用は、第10回新株予約権発行による資金調達及びAMEDのCiCLE事業によりその資金を確保いたしております。今回の資金調達は、先行投資として主に「米国での脊髄損傷急性期の治験準備」及び「新規パイプラインの創製」資金として活用することを想定しております。
8/14の第13回新株予約権の発行について。なぜ今このタイミングで行うのか。具体的に理由を教えてください。資金用途については、今後の成長戦略のために必要であると理解しました。しかし、脊髄損傷急性期の国内第Ⅲ相試験の通過が前提ではありますが、今行うよりも治験結果を待ってから行ったほうが、株価が上がっている確率が高いので、楽に資金調達できると考えています。
国内第Ⅲ相試験の結果を受けタイムリーに米国での共同開発候補先との交渉を進めるためには、このタイミングでファイナンスを実施し米国での開発計画策定を開始する必要があると考えております。また新株予約権を活用した資金調達には一定の期間がかかるため、今後その期間内に株価が上昇する場合には、資金調達額も増大することになります。一方で株価の高いタイミングでファイナンスをアナウンスすることが、必ずしも調達金額の最大化に繋がるわけではないと考えております。
このタイミングで米国での治験準備開始を決断したより詳細な背景は次の通りであります。今回のワラントによる調達資金は、まずは米国での脊髄損傷急性期の治験準備費用に充当することを想定しております。米国での治験も国内同様まずは、当局(FDA)との事前折衝からスタートいたします。リリースに記載させて頂いていますように、IND(治験計画届出)に係る折衝の中でFDAの考え方や過去の当社の治験データの有用性等が理解できると考えており、その知見を基に米国での開発計画を策定し、それを共同開発候補先との交渉等に活かしていきたいと考えております。
この様に、米国の治験につきましても、一定の準備期間と準備費用が必要となる事が予想されます。一方、国内の第Ⅲ相試験結果を報告書ベースで取りまとめるまでにあと半年以上が予想されます。あと半年待って、その後米国治験の準備を行うという進め方では、実際の着手は1年以上先となってしまいます。当社といたしましては、国内第Ⅲ相試験の完了とそれに続く薬事申請の準備に加えて米国治験の準備を同時に行っていくことにより、組換えHGFタンパク質の事業価値を最大化することにつながると判断し、今回の資金調達を決断いたしました。既に、そのための人材確保、米国でのコンサルタントとの契約、米国でのCROの選定は進んでおります。
ご心配をお掛けしてしまう事には大変申し訳なく思いますが、次の成長への加速のための資金調達とご理解いただきご支援頂ければと考えております。
今回の新株予約権の発行は株主総会に諮っていたものであれば別ですが、抜き打ちなので、下記の理由で株主の信頼を裏切る行為になる可能性があるように思われます。しかしもし脊髄損傷急性期の第Ⅲ相試験の成功確率が高いのであれば、正当性の理由が立ちます。一方、成功の確度が低いのであれば、ギャンブル行為であり正当性が損なわれます。
ですので、新株予約権を発行するのであれば、現時点での脊髄損傷急性期の第Ⅲ相の状況を明らかにして、臨時株主総会を開かないまでも、信を問うべきでしょう。
まず、今回の発行決議は当然ながら関連法令を遵守し、その法令の範囲内で当社取締役会が決議したものとなります(プレスリリース等にも記載させていただきましたとおり、会社法上の有利発行には該当しないため、株主総会での決議は行っておりません。)。また、治験結果について開示すべきと言うご指摘に関しましては、現在のところ治験は完了しておらず、各種データにつきましても何らの固定・解析作業が行われていない状況にあること、薬事承認申請のための治験はGCP省令を遵守して厳格に実施しなければならないことから、治験の成功確率について現時点で開示できるものではないことにつきご理解を賜れればと存じます。
今回の新株予約権の発行決議は、あくまでも米国における開発スピードを加速させ、当社の企業価値を向上するためのものになると考えております。
ご心配をお掛けし申し訳ありませんが、ご理解、ご支援いただきいと考えております。
脊髄損傷急性期の第Ⅲ相試験の途中経過に関して、会社側がおおよその感触(例えば25名中の23名の結果を得ているなど)を何らかの形で得たうえで今回の増資を行ったのでないのなら、つまり投資家と全く同じ状態で今回の増資を行ったのならきちんとそれを明示した方がよいです。
はたから見ると今回の試験はオープンラベルで、会社は途中経過を知っているはずで資金に大幅な余裕があるのに、その経過を開示せずに増資を行った行為が何を意味するかは明白でほぼ確実に今回の試験は失敗したなと推定できる状態です。投資家はバカではないので、自分たちは全く結果をあずかり知らないという事を明示しない限りどんな言い訳も通用しないです。また途中経過を会社側だけが知っていて資金調達を行っている状態は、これは適時開示義務違反を犯した状態で資金調達を行っていることになり金融商品取引法違反にあたる疑いがあるのではないかと推察します。少なくとも株主や投資家が試験結果を知らないのに、首脳陣だけが重大な途中結果を知っていて増資をして大量の株を擦りまくっているというのは非常に不公平かつ不公正な状態なはずです。
ご質問への回答に際しまして大きく2点お伝えすべきかと考えております。
一つ目は、現状の脊髄損傷急性期の第Ⅲ相試験の途中経過に際して、当社が何らかの「重要事実」を有しているのではないか?とのご懸念に関しまして、現在の治験状況は、最終患者の組入れが完了し、6か月の経過期間が満了するのを待っている状態です。当然ながら治験に係る各種データはまだ「固定化」されておらず、固定後に行われる解析作業、対象データの解析作業等も一切行われていないという状況であるとご理解頂きたいと考えております。
次に、治験の途中経過を開示できない理由に関しましてご説明させていただきます。
薬事承認申請のための治験は、GCP省令を遵守して厳格に実施される必要があります。治験結果は、予め定めたプロトコールに従って症例を組入れ、全てのデータが揃った段階で固定し、プロトコールに規定した評価方法により解析を行って、初めて確定いたします。これは、治験が二重盲検比較試験であれオープン試験であれ、変わらない大原則です。治験の途中のデータを固定もせずに独自に収集し解析した結果を開示することは、規制上の点から相応しくありませんし、逆に投資家の皆さまをミスリードさせることにもなりかねません。ましてや、承認申請で最も重要な第Ⅲ相試験については、法令を遵守することは言わずもがなであり、当社の判断で勝手に途中結果を開示することは、その後の承認審査の過程において法令違反を指摘され、最悪の場合には承認が得られない可能性も出てまいります。
当社としましては、あくまでもプロトコールに則って厳格に第Ⅲ相試験を進め、最終症例の経過観察期間終了後にデータ固定し解析を行った上で、間違いのない正確な治験結果として開示を行いたいと考えております。
最後に、今回の決議に際しまして、当社は未公表の重要事実を保有しておらず、投資判断に必要と考えられる事項については有価証券届出書に記載させていただいていることを申し添えさせていただきます。
株主の皆様にはご心配やご懸念を与えてしまっている状況について大変申し訳なく思っておりますが、何とか当社の判断にご理解を頂きご支援をいただきいと考えております。

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